昨日の午後10時ぐらいから観て、合間に幾度も睡眠を挟んで12時間かけて観終えた。他の方も仰る通り、催眠術でもかけられとんのかと思うほどに睡眠導入効果が半端ない作品だった。もちろん面白くないということではなくて、被写体を遠く捉える映像に加えて、可能な限り排除されたセリフ、おっそい叙述など、観る側がとことん能動的にならないと理解できない作品であってエネルギーを消耗するからなのだということで…。古代ギリシアのカリスマ的英雄アレクサンダー大王を共産主義になぞらえ、19世紀から20世紀を通じて世界の人々を熱狂させたユートピアへの熱狂と夢の破綻を描く壮大すぎる寓話。大王が朝日を背に湖から白馬にまたがり登場するシーンは、アンゲロプロスには珍しく音楽を用いた演出も相まってとてつもない高揚感だった。体力が万全の時にもう一度観よう…。
