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アレクサンダー大王のzhenli13のレビュー・感想・評価

アレクサンダー大王(1980年製作の映画)
4.0
20世紀の始まりに現れた「アレクサンダー」と呼ばれる男。その存在も出自も感情も、すべてお伽話のようで寓話でもある。
古代の英雄の名を冠した男は、近代コミュニズムの村となった故郷で、招かれざるゲリラ集団、というより道化の王となる。彼は時々てんかん発作と覚しき症状に見舞われる。アレクサンダー大王はてんかん持ちであったことからくるのだろう。

北ギリシアの、岩が露出した山間に拓かれた村。どこまでも白く冷たい曇天。石積煉瓦の家々から、わらわらと出てくる村人たちは皆黒い服。
人々も風景だ。点景だ。その長回しの風景に個(エゴ)は消失する。

悲劇は予想できたが、彼はなんと「少年アレクサンダー」となって現代の風景に消失する。
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