菩薩

思ひ出の曲の菩薩のレビュー・感想・評価

思ひ出の曲(1936年製作の映画)
3.9
ふ〜ん、エッチじゃん。何がエッチかと言えば宮廷メイドのロリロリな衣装である。85年前でありながら胸部はハートを模したデザインでミニスカート、さりげなく肩まで出しちゃって大変にエッチであるし、現代でもそのまま通用するデザインである。ただそれをも凌駕するのが主人公の入浴シーン。入浴シーンと言えば由美かおるの専売特許な気もするが、この作品の入浴シーンはあの細川ふみえのバスロマンのCMを彷彿とさせる「見えそうで見えない」良いお湯加減であるし、実際バスロマン的な乳白色(予想)の入浴剤を投入している。

とまぁどうでもいい(よくない!)熱弁を振るってしまったが、お話の方はと言えば父親探しを軸に繰り広げられるラブロマンスである。実はアレでコレでソレなもんで…と小難しい事情があり、途中勘違いが独り歩きしてママレードボーイみたいになってしまうところもだっけど気にっなるぅ〜が、タイトルの時点でどうなるかは目に見えているし、物語そのものよりもナチス支配下で重苦しい筈の時代の雰囲気を打破せんとする軽快なコメディタッチに感動してしまう。「国民は愚かでは無い」なんて台詞はまさに監督の心情吐露なのだろうし、音楽を通して物語が進行していく様に併合前の隣国のオーストリアに対する敬意も感じられる。ブランコに乗っている時の弾ける笑顔なんて『ピクニック』そのもの。なんとも良い映画だな〜と心温まる半身浴ムービー。
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