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男の叫びの一人旅のレビュー・感想・評価

男の叫び(1953年製作の映画)
4.0
TSUTAYA発掘良品よりレンタル。
ウィリアム・A・ウェルマン監督作。

未開の雪山に不時着したパイロット達の運命を描いたサバイバル映画。

ジョン・ウェインが自身の独立プロで制作した作品。グリーンランド-北アメリカ間の輸送機が、飛行中に悪天候に見舞われ雪山に不時着する。死へのタイムリミットが迫る中、未開の雪山に取り残された5人の男は無線を使って捜索隊の到着を待ち続けるが―という“極寒遭難サバイバル”で、雪山における男達のサバイバル劇と、彼らを必死に捜す捜索隊の奮闘を交互に描いています。

『SOS北極.../赤いテント』(70)や『生きてこそ』(93)に連なる極寒映画で、食料不足・燃料不足に加え、雪に閉ざされた過酷な環境下における男達の遭難サバイバルを、どっしりと構えて弱音を吐かない機長(ジョン・ウェイン)の冷静沈着な態度と行動を中心として魅せていきます。同時に、機長と固い絆で結ばれた同僚パイロット達の命の危険を伴う上空からの捜索劇を活写して、“仲間を信じて待つ者”と“無事を信じて捜す者”という二つの視点から、未開の雪山に取り残された男達の運命を映し出していきます。

『生きてこそ』ほどの身に迫る死の恐怖は感じられない、遭難物にしては幾分マイルドな作風になっていますが、猟銃を持って一人狩りに出た男が吹雪で視界不良となり身動きできず衰弱していくシーンは生々しい恐怖をもって描写されていますし、主題の一つである遭難者と捜索隊の固い信頼関係が恰好いい漢気映画となっています。

蛇足)
顔面の凍傷対策に飛行機のエンジンオイルが役立つという豆知識。
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