うにたべたい

ウルトラマンタロウ ウルトラの母は太陽のようにのうにたべたいのレビュー・感想・評価

3.6
ウルトラマンタロウ劇場版1作目。
タロウの映画は3作とも、『東宝チャンピオンまつり』で上映されたブローアップ版です。
本作はタロウ第1話のブローアップ版となります。

新機軸を盛り込んだエースですが、終盤には人気も終息気味になっていて、エースで終了という案もありました。
そんな中で始まったタロウは、これまでのドラマ性、組織的な雰囲気とは少し異なった、明るい作風になっています。
主人公の東光太郎は、世界漫遊後の22歳の好青年。
彼がタンカー船で帰国する場面からストーリーが始まるのですが、物語始まるやいなや服のままタンカーから海に飛び込み、泳いで日本へ渡るというやんちゃをし出します。
さらに砂漠で百年に一度しか咲かないという、貴重なチグリスフラワーの球根を持ち込んだ光太郎は、その場にいた犬と港の土場にその球根を埋めます。
こんな感じで一話目からこれまでのウルトラマンの変身者たちとは違う、マンガのようなキャラクターが全面に出されています。
タンカーから海に飛び込んだ後、港でパンイチで焚き火で暖を取るシーンもコミカルですが、そんなムチャをやりつつも好青年を出すのがすごい。

ちなみに、光太郎が埋めたこの球根は、後に怪獣になってわんこも食べられるというとんでもない展開になります。
なにげにタロウは、怪獣が人を食ったり溶かしたり、コミカルな割に凄惨なシーンも多いんですよね。

登場する怪獣はアストロモンス。
アストロモンスの前に、オイルドリンカーという超獣が登場するのですが、アストロモンスは超獣・オイルドリンカーを飲み込んでしまいます。
タロウに登場するのは、怪獣より強い超獣、よりもさらに強い怪獣たちという演出ですね。
アストロモンスは、タイラントやテンペラー星人と並びタロウを代表する怪獣で、腹部の巨大な花と蔓のような両腕が特徴的な素晴らしいデザインの怪獣です。
タロウとアストロモンスの戦いはウルトラマンシリーズ屈指の名シーンですね。

ちなみに、副タイトルは「ウルトラの母は太陽のように」ですが、母の登場シーンはあまりないです。
それよりもヒロインの白鳥さおりさんの太ももが太陽のように眩しかった。
タロウ第1話は色々盛り込まれていてテンポもよく、タロウも怪獣もかっこいい名作です。