前作の興行的成功を受け制作された、ジョエル・シュマッカー版バットマン第2作。
バットマンことブルース・ウェインを演じる役者は名優ジョージ・クルーニーにわずか1作でバトンタッチ。
日本でも絶大な人気を誇るシュワちゃんことアーノルド・シュワルツェネッガー、『パルプ・フィクション』のユマ・サーマンがヴィランの座に座るなど、前作にも引けを取らない豪華な役者陣が顔を揃えた。
✏️どうしてこうなった
本作はその内容から第18回ゴールデンラズベリー賞にて最低作品賞など計9部門などにノミネート。
また、ブルースを演じたジョージ・クルーニーが「もうバットマン役は2度とやらない」というコメントを残しているなど、誰もが認める黒歴史と化している本作。
そんな前評判を聞いていたせいもあってか、そんなに言うほど酷くはなかったな…という印象。
じゃあ褒められるポイントがあるか?と聞かれると返答に困る。
ユマ・サーマンがカワイイくらいかな。
『パルプ・フィクション』しか彼女の出演作を見たことがなかったので、すっぴんだとまるで赤ちゃんみたいなベイビーフェイスなんだな、ということを知れたのは良かった。
恐らくだが、ストーリーが全体的に散らかっている。
シュワちゃん演じる<ヴィクター・フリーズ/Mr.フリーズ>とユマ・サーマン演じる<パメラ・アイズリー/ポイズン・アイビー>のダブルヴィランの描写の時点でいろいろとお粗末だし中途半端。
そこに新キャラの<バーバラ・ウィルソン/バットガール>を登場させたり、バットマンとロビンの師弟関係の亀裂を描いたり、ブルースに仕えてきたアルフレッドが病気で死の淵にあるという展開を描こうとするモンだから、監督が詰め込みたいものが多すぎて収拾がついていない。
バットマンとロビンがアイビーの誘惑(フェロモン)に何度も引っかかる間の抜けた展開も、ギャグとして見れば滑稽かもしれないが個人的には微妙。
ロビンはまだしも、バットマン。あんたはハードボイルドなヒーローでいてくれ。
本国では、監督(シュマッカー)が作中に同性愛の暗示を組み込んでいるとか、なぜバットマンのスーツに乳首がついてるんだとか、スーツを着た時の股間や尻へのクローズアップはいったいなんなんだとか、そういう批判もある模様。
暗示の方はよく分からなかったけど、たしかにあのクローズアップに関しては意味不明。
ウケを狙いに行く場面ではないし、「バットマン」はそういう映画ではない。
唯一、クライマックスのバットマンとMr.フリーズが和解する展開は良かった。
☑️まとめ
なぜ前作の勢いそのままに、新たなバットマン映画を作れなかったのか…
バットマンというブランド、作品を支えるファンとキャスト、そして監督含む制作陣に大きな心の傷を残しただけに終わった残念な作品。
本来は続編を予定していたらしいが、本作の大コケによりその計画は頓挫。
バットマンとしての次なる映画作品は、2005年『バットマン ビギンズ』でリブートされることとなる。
<作品スコア>
😂笑 い:★★★☆☆
😲驚 き:★★★☆☆
🥲感 動:★★★☆☆
📖物 語:★★★☆☆
🏃♂️テンポ:★★☆☆☆
🎬2023年鑑賞数:26(8)
※カッコ内は劇場鑑賞数