肉鹿

ハッシュ!の肉鹿のレビュー・感想・評価

ハッシュ!(2001年製作の映画)
4.3
ちょっとした優しさの1本の傘からはじまり、まさかの2本のスポイトを経て3人の不思議な関係は4人にも5人にも増えていくのだ———橋口亮輔監督作品。

文句なしのおもしろさ!
出てくる人たちみんな生き生きとしてて、テンプレ通りのキャラクターなどいない生々しさに簡単に引き込まれちゃうし序盤の3人の間ををぐるぐる行き交ってどんな人物か知らしめる構成も楽しいから、内容知らないで観るのが1番楽しい映画😆

でも田辺誠一さんと高橋和也さんは「きのう何食べた?」のシロさんとケンジに見えてくるそっくりさだからロスを感じてるファンの人にはおすすめ。お母さんの感じもそっくりw

ただそんな2人以上に片岡礼子さんがちょっとすごい。
存在感抜群なやさぐれ容姿から吸い出すタバコの吸い方が、短い時間で1本でも多く吸いたい野生味あって役と抜群に合ってるし感情を忘れてしまったかのような目付きの暗さもこれ以上ないくらいのハマり役!

そんな暗さが2人と出会うことで光を取り戻してくるのも素敵!
あ~、でも田辺誠一さんの心底めんどくさそうなシーンで一瞬だけ下見たり一瞬だけため息したりという繊細さも見逃して欲しくない!名演技👏

そして、いたたまれない空気が流れる会話シーンがいくつもあるのも見どころ。
どれもこれもじっとり長回しでほんと居心地悪い😂
そのなかでもゲイバーで飲む片岡礼子さんのシーンが最高!ここであるゲイを価値観の凝り固まった頑固者として扱ってるのも、決してセクシャルマイノリティに"優しい"映画ではないようで素敵。

橋口亮輔監督の性別関係なくひとりの人として扱う平等な眼差しは本物だと思う。聖人監督だ~🤤
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