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小さな中国のお針子のmhのレビュー・感想・評価

小さな中国のお針子(2002年製作の映画)
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下放で再教育受けているときにおこった三角関係という青春映画。
・村人を代表して遠くの野外上映にいって、それを村人に伝えるくだり。
・禁止書物の悦楽。
・文革当時の知識階級同士のやりとり。
このあたりのプロットが抜群に魅力的。
無学な村長(生産隊長)に、いきなりガツンとやられる理不尽さは、映画の醍醐味ともいえる。
ウィキペディアによれば監督自身の下放体験が反映されているとのこと。
女1男2の恋愛だけど、みなさん自制が効いており、ドロドロしないのがリアル。悪いやつが出てこないのもいいね。
革命委員、生産隊長など、当時の中国で使われていた用語も良かった。
終盤に時間を飛ばして、ダムの底に沈むというツイストも素晴らしい。これまでしてきたことを情報操作で隠している中共のスタンスを、ノスタルジックに翻訳したかのようだった。
歯医者のくだりは「にっぽん泥棒物語」にも似たようなものがあった。独立プロ作品が中国で上映されるようなことはあったのかなぁとか考えながら見た。
面白かった!
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