監督マイケル・マンの劇場デビュー作にして確立されたそのスタイルは、後の代表作も本作の変奏曲とすら思えるほど原点となっている。
音楽タンジェリン・ドリーム、主演ジェームズ・カーン。
特筆すべきは、金庫破りのシーンには元本職を4人雇い、その手口の再現を試みている。
そして、本作を機に当時主流となったウィーバー・スタンスと呼ばれる銃の構え方にもプロの指導を参画させた。
そんな拘りのアクションシーンだらけの映画と思わせつつ、本作での主人公は嫁探しに奔走したり、養子を迎えるのに四苦八苦したりと、裏社会の人間らしからぬ人間ドラマがひた続く。
一匹狼の主人公は、誰が相手でも一切媚びることなく、我が道をいく。
そして、望み通りの安定した生活を手にしたように思えたが、ある事件がきっかけとなり、マイケル・マンによる男の美学が炸裂し、溜飲を下げるのに作用する。
その作用は東の「タクシードライバー」、西の「フォーリング・ダウン」級だ。
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