春21号

ゼア・ウィル・ビー・ブラッドの春21号のレビュー・感想・評価

4.3
神殺しの映画なんだと思いました。

石油というのは人類の無限の可能性を与えた。まさに人類のエネルギー、パワーです。資本主義は石油なしでは成り立たなかった。
それは同時に神の時代を終わらせたと言ってもいい、信仰なしでも自分達は生きていける。そう言えるのが資本主義なのかもしれないと思います。
そう考えると石油は神がというか神を信じるものが人類に与えたくなかった禁断の果実と言えるかもしれんないですね

この話基本的には主人公が行く先々で土地が欲しけりゃ神を信仰しろと言われてるだけです。
主人公はそれが嫌で頑張ってるのに…
で、結局成功するのだけどそこには資本主義あるある"結局孤独“が待っているのです。
この話神への信仰という要素を除けばクズ親父がなり上がっていくだけの話です。
そこに信仰という要素を入れるだけですごく象徴的になります。

最後に"終わった"というセリフこれは言い換えると主人公の時代、つまり資本主義が始まったということですね

そう考えると最初と最後が2001年オマージュなのも納得
石油とはつまり2001年の棍棒で、人類を進化させ血に染めた暴力装置そのものなんですね
最後にセリフが出てくるのもそう
神はこの地から去り人類が地に染めあう時代が新たに始まった。ということですね

ものすごく象徴的、だからどうした?と言われればそれまで
でも個人的に神殺しの話は好きなので傑作でした。
春21号

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