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ボビー・フィッシャーを探してのYYamadaのレビュー・感想・評価

3.8
【ヒューマンドラマのススメ】
 ~映画を通じて人生を学ぶ

◆作品名:
ボビー・フィッシャーを探して (1993)
◆主人公のポジション
7歳の天才チェス・プレイヤー
◆該当する人間感情
 驚嘆、不安、平穏

〈本作の粗筋〉
・ジョシュはまだ7歳という年齢ながら、チェスに関して天才的才能を持っていた。父フレッドは息子の秀でた才能を、消息不明の伝説的プレーヤー、ボビー・フィッシャーに重ね合わせ、本格的な英才教育を試みる。
・そして、彼は往年の名プレーヤー、ブルースに会い息子のコーチに雇う。ジョシュは特訓によって更に潜在していた能力を発揮、次々とタイトルを獲得した。だがある日、ジョシュの前に思わぬ強敵ジョナサンが現われる…。

〈見処〉
①我が子は、第二の「伝説的チェス・
 プレイヤー」なのか?
『ボビー・フィッシャーを探して』は、1993年に製作されたヒューマン・ドラマ映画。
・1970年代に全米にチェス・ブームを巻き起こし、その後忽然と姿を消した天才プレイヤー、ボビー・フィッシャー。そのフィッシャーの再来を思わせる才能を我が息子が発揮しだしたら?——本作は、天才少年ジョシュ・ウェイツキンの成長を、父フレッド・ウェイツキンが1989年に綴った同名ノンフィクションを映画化したもの。
・製作当時に「現在進行形の題材」を『シンドラーのリスト』の脚本家スティーヴン・ザイリアンの監督デビュー作。エグゼクティヴ・プロデューサーは『ザ・ファーム 法律事務所』監督のシドニー・ポラックが務めている。
・出演は、ジョシュ少年の父役に『ゴッドファーザーPART Ⅲ』でジョーイ・ザザを演じたジョー・マンテーニャ。チェスの指導者役には『ガンジー』のベン・キングズレー、ホームレスの友人役に『マトリックス』のローレンス・フィッシュバーンがキャスティングされている。

②その後のジョシュ少年
◆本作で描かれたジョシュ少年の逸話のベースとなった史実は…
・6歳: 大人の路上チェスを見て、すぐさにチェスを覚える
・9歳: 全米ジュニア選手権制覇。
◆映画の「その後」では…
・13歳: ナショナル・マスターを戴冠
・16歳: インターナショナル・マスターの戴冠、全米ジュニア選手権の制覇
・28歳: 中国拳法家に転向し、2004年台湾で行われた太極拳推手世界大会にて優勝。

③結び…本作の見処は?
◎:「優しい事は世の中で一番大事なことよ」…天才ジョシュ少年を中心とした「父と子」「師と子」「ホームレスの友と子」それぞれの葛藤を丁寧に描かれるなか「母と子」こそが「もっとも強固な人間関係」として、子供にとって大切なことを示唆してくれる映画。全ての登場人物に傾聴力が備わっているのが良い。
◎:「始動」→「躍進」→「挫折」→「復活」。『ロッキー』などスポーツ映画と同じ構成であるからこそ、モチベーションの高揚が得られる作品となっている。

④本作から得られる「人生の学び」
・いかに「天才」であっても、我が子を「人間」として育てることを忘れてはいけない。
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2022年2月現在、劇場公開中のウィル・スミス主演『ドリーム・プラン』と是非比較鑑賞をされてみて欲しい。
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