pauh

ボビー・フィッシャーを探してのpauhのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

実話ではありながら割と王道で展開も読めない訳では無いですが、試合中の惹き込まれるような緊張感や主人公の苦悩なども伝わってきて集中して楽しめました。
初めは楽しんでチェスをし、その才能も認知されゆくものの“勝利”が目的になった途端プレッシャーに押しつぶされてしまいそうになる様が、自分もこんな天才では無いですが共感できる部分があり、何事も“利益”よりも純粋な“楽しさ”が無いと原動力には成り得ないんだなぁと思いました。
楽しさを取り戻してからの主人公のチェスも観ている自分も面白く、公園で友人と得意のスピードチェスを楽しむシーンも良かったです。
ラストの試合はルールがわからなくても緊迫感が伝わってきて、最後の最後まで目が離せない程夢中になれました。
引き分けにしようと敗者を作らない為に言葉をかける主人公の優しさも心打たれるものの、ライバル側の負けを認めるような交渉を飲めないプライドも理解できて、あの子のその後もなんだか気になりました。
チェスがわからなくても充分に楽しめる、才能の凄さに驚かされる作品でした!
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