ぉゅ

ボビー・フィッシャーを探してのぉゅのレビュー・感想・評価

3.7
2022年 鑑賞 22-258-30 (10/28・31)
BS松竹東急 銀座よる8シネマ にて
原作は主人公ジョシュの父フレッド・ウェイツキン氏による同名のノンフィクション著書を原作に、「ドラゴン・タトゥーの女」「アイリッシュマン」等の脚本家として知られるスティーヴン・ザイリアン監督・脚本による監督デビュー作で、実在のチェスプレイヤーとしても知られるジョシュ・ウェイツキン(マックス・ポメランクさん)のチェスの才能に目覚めた7歳の少年時代を描いた作品。

ー 心優しきチェス名人の少年時代と家族の決断 ー
有名なテーブルゲーム。オセロ、将棋、囲碁、双六、麻雀に、あと何だろう... あとあれだ!この作品に深く関わっているゲーム...

ボビー・フィッシャーって実在の有名チェスのプレイヤーだったんだ!まぁそうじゃないとタイトルの意味はわからないんだけど、少年の友人とか恩人なのか?とか思っていた。しかもボビーは奇行を繰り返し、フィッシャーは、ある時に行方不明になった。そこが彼を人々が惹きつける魅力なのかもしれない。だから彼は忘れられない存在なんだろう。少年ジョシュの心の中にもボビーがいたんだろう。

そもそも野球好きのジョシュが惹かれるチェスの魅力とは?街角でチェスをやっているという文化と、それを熱中してやっている大人がたくさんいて、それを目の当たりにしているからというのもあるんだろうなぁ。彼の駒の動かし方が素早い!パパって先を読んで動かしている。相手が考えている時に自分も何手も考えているんだろう。あと父息子対決での1コマが、敢えて父に手を抜いているのが悟られないようにわざと負ける。父フレッド(ジョー・マンテーニャさん)は「大人気ないな 勝たせるべきだった」とか言って、妻(ジョシュの母) ボニー(ジョアン・アレンさん)に指摘されるまで分からなかったんだから...

“私に息子のチェスを反対させたいなら私を呼ばないはず でもあなたの本心は違う 本当は私にチェスを勧めさせがっている”
フレッドはジョシュのチェスの才能に気づき、彼の才能を伸ばす。ストリートチェスでヴィニー(ローレンス・フィッシュバーンさん)の教えや、かつてのチェスの名プレイヤーのブルース(ベン・キングズレーさん)のコーチングで、「決めるのは父親の君だ」、「勝ちとるんだ 君は10点とったナイトを動かして」、チェスのマスタークラスと少年野球、我慢強さとストリートチェスの禁止、「クィーンを動かすなよ」

“トップの選手だから勝って当然って でも負けたら... 僕怖いんだ 一番じゃなきゃいいのに そしたら負けても笑われない”
子どもたちの戦いと大人たちの戦い、大人たちの排除と子どもらの拍手、結果は?、野球もチェスも上手くなりたいジョシュ、「チェスなんか」と父の異変、「間違ってる」、ヴィニーの再登場とチェスの天才少年がストリートに降臨、ライバルのジョナサン・ポー(マイケル・ニーレンバーグさん)の存在とジョシュの精神状態、まさかの敗退、「僕は憎まない」と「僕は彼(ボビー)じゃない」、認定書と認定書の意味、「勝つ準備をしないのは愚かなことだ」、「早く行って」、スランプ?、「もうチェスはやらなくていいぞ」、「でも僕は勝ちたいよ」

“おはよう (トロフィーを出しながら)お前のだ”
ヴィニーの言葉「リスクを恐れるな 負け寸前まで自分を追い込め」「倒す敵は盤じゃない 盤を動かしてる “人” だ だから俺を倒せ」最後のポーズ最高!
ブルースとフレッド、「私は息子にしてやれることをするだけだ 他のことは分からない」
ブルースの言葉「読み上げよう 今日ここで指導者の所見により ジョシュ・ウエイツキンをグランドマスターに認定する」「私の人生で最も誇らしい 君の指導者で光栄だ」「僕 すごく怖い」「分かってる」「最後まで見届けるよ」「幸運を祈る」
そして...

負けを恐れることは決してマイナスではなくて、誰もが持つ感情。チェスに関わらず何でも、老若男女問わず。それに気づいたジョシュとジョシュと周りの人との積み上げてきたものや絆、あの相手を思う「●●ーの提案」、それがジョシュの強さだと感じた作品。もっと早くに観ておくさくひだったと実感!出来れば中高時代に... でもやっぱり無理だったろうな...

「ただのゲームだ」「違うよ」

「いいゲームだった」
ぉゅ

ぉゅ