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サムライのMTMYのレビュー・感想・評価

サムライ(1967年製作の映画)
4.5
いかなる戦に出る者、死をいとわず
愛する者を愛し、決して未練を残さない
孤独を愛するならば、孤尊に生きろ…

風通りの悪そうなひと部屋、
ベッドに横たわる人影から ゆらり ゆっくりとけむる煙草のひとすじ。

渋すぎて最高でした。

これといった内容がなくとも、これだけ作品として重低感のある渋み、
アラン・ドロンの深い眼差しだからこそ成り立ったものだと思います。
ある意味でこの作品は、一つのサムライとしての”所作”の物語ように見えました。

ラスト、クライマックスでの緊張感、
まるで 敵陣の正面玄関から刀を持たずに上り込む、覚悟の決まった武士です。

彼が一体どういう人物なのか、どういう経緯をたどってきたのか、そこに含みと影のありすぎる作品だったので、
思わず
もっと観させてくれ…!!
と思ってしまうほど。

まるで「名は名乗るまでもない。」と言われ立ち去っていってしまったようでした。

しぶい!
MTMY

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