ヘラルドスクエア

白昼堂々のヘラルドスクエアのレビュー・感想・評価

白昼堂々(1968年製作の映画)
2.5
倍賞”さくら”千恵子さんは、気が強くずる賢いスリの名人という非常に珍しい役どころ。面白い。
倍賞さんとしては『霧の旗』くらいかな、微妙に悪い役柄は。

喜劇なんだけど社会派なのが野村芳太郎監督ならではのテイスト。
枯れゆく北九州の炭坑、ボタ山に登って
もの想いにふける設定でコメディにするなんて。
浜離宮から浅草方面に隅田川を舟で遡行する渥美清さんと藤岡拓也さん。生きてかなきゃしょうがないってしみじみ話して…。それをバストのツーショットで正面から撮ってる。
こんな画面でも喜劇になるんだなって感心しました。
いろいろなデパートが出てきて、特に新宿小田急百貨店の屋上シーンは貴重ですね。もう建物自体が壊されちゃいますから。(山田洋次監督『息子』でもこの屋上が登場します。師匠である野村監督へのオマージュだったのかも)
冒頭シーン、欽ちゃんと生田悦子さん(のちの欽ドン!良いOL)がこんなところでしっかり絡んでいたんですね。合点がいきました。