おもしろかった。西部劇は邦題が似ているものが多いので記憶が混在していて、もしかしたら観たことがあるかもしれない。そうだとしても、若い頃にはこの渋さが分からなかったと思う。本作がこれまでの西部劇とは一線を画す、大人の作品と言われている理由が理解できた。
1952年作(七人の侍の2年前!)だから、さすがに映像の古さや時代違いな描写はあるものの(それでも女性の描き方はなかなか繊細で、当時としては進んでいると思う)、シチュエーション自体は現代でも充分通用するし、誰の立場に立っても自分事としてイメージすることができた。
何より他人がどうとか正義とは?ではなく、事柄の大小でもなく、想定外の角度から、自分にとっての"保安官バッジ"って何だろう?と考えさせられた。これが時代を超えた普遍的なテーマである由縁だと思う。
※リー・ヴァン・クリーフが煙草を吸うシーンから始まるのが、画が引き締まって、とても良い。