つるみん

真昼の決闘のつるみんのレビュー・感想・評価

真昼の決闘(1952年製作の映画)
3.4
【正義って何なのか…】

信念を曲げない保安官の孤独な闘いを描いた西部劇である。しかし西部劇といっても激しい撃ち合いなどはほぼ無く、むしろ人間の弱さや臆病さが描かれている心理を問うヒューマンドラマとなっているのが特徴である。また私利私欲のために、保安官を見捨てる住民という内容は1972年〝荒野のストレンジャー〟に似ている。
1952年公開となっているが本編の真相は現代にも通ずる所が多々含まれていた。

もう1つ特徴をあげるのならば悪役という悪役を描いていないところである。本作品は決して悪を懲らしめる事がメインでは無いことを暗示しているのであろう。

また〝ダーティハリー〟のラストはこの〝真昼の決闘〟のオマージュとも言われている。考えてみると〝牛泥棒〟から〝奴らを高く吊るせ〟などの例もあるように一風変わった西部劇をイーストウッドは取り入れていったことがよくわかる。
つるみん

つるみん