バンバンビガロ

真昼の決闘のバンバンビガロのレビュー・感想・評価

真昼の決闘(1952年製作の映画)
3.5
フレッド・ジンネマン監督による異色西部劇。
結婚式を挙げたばかりの保安官ウィル・ケインのもとに彼がかつて逮捕した悪党フランク・ミラーが保釈され町に戻ってくるという知らせが届く。フランク・ミラーとの対決を決意したケインは町の人々の助力を乞うのだが、彼を助けようという者は現れず、ケインは一人で悪党たちと対峙することになる。
この映画の主人公ケインは町を守るために一人で悪党と戦う孤高のガンマンという感じではなく、人並み以上に勇敢ではあっても一人で多数を相手取る技量や勇気はなく、迫りくる復讐の影におびえながら口下手でうまく助けを求めることもできない等身大の中年男性のように見える。
また重要なのは彼が戦う大義名分も丁寧に奪い去られているところで、市長との会話では彼が町に残って戦うことは町のためにならないことを明言され反論すらできない。
新妻に去られ、ともに戦う仲間も町を守るという使命も持たないただの男が震えながらも決闘に挑むというブルースに満ちた渋い映画である。
バンバンビガロ

バンバンビガロ