けーはち

真昼の決闘のけーはちのレビュー・感想・評価

真昼の決闘(1952年製作の映画)
3.4
結婚して引退したはずが悪党と対峙するハメになる保安官(ゲイリー・クーパー)。原作では若い補佐官が決戦で倒れた保安官を継ぐ話になるようだが本作では誰も手を貸さず孤立無縁。ムカついた保安官も悪党を片付けた後別れ際にバッジをポイッ&サヨナラである。赤狩りの憂き目に遭う脚本家カール・フォアマンの大衆不信が滲み出る。上映時間85分=劇中10:35−12:00のリアルタイムに大体合わせた形の刻一刻迫る決闘に向けた孤独や不安、葛藤など主人公の内面や彼を追い詰める人間関係にフォーカスして描く異色の西部劇だが、その分悪党との決戦内容は本題ではないため割と1人でアッサリ片付くのは痛し痒しというところか。美しい新妻グレース・ケリーが小汚い西部の街であまりに浮きまくってんのは御愛嬌。