カズザク17

眉山 -びざん-のカズザク17のレビュー・感想・評価

眉山 -びざん-(2007年製作の映画)
4.0
今以上に、シングルマザーが子供を育てる事が大変だった時代に、強い気持ちと行動力で子供を育て上げた母親。気持ちが強い(強過ぎる)分、人に頼る事が出来ず、全てを自分で決めて行動してしまう。年を取ってからも変わらずで…お店を閉める、施設に入る、入院する、更には自分が死んだ後の「大切な事」を決めるのも全てが自己完結。相談されない娘は、不信感?疎外感?寂しさ?を感じてしまう。そんな微妙な距離を抱えた母と娘が、母親の病気・死をきっかけに、今まで明かされなかった真実と一緒に、心の距離を縮めていく。
自分の本当の父親が生きている事、それが母親の不倫相手である事を知る娘。かなりショックを受ける事実ではあるが、母親が父親を本当に愛していた事、父親も母親を本当に愛していた事、その気持ちが双方で今でも残っている事を知り、許し受け入れる事が出来たんだと思う。阿波踊りのクライマックスで「お父さん」と叫ぶシーン…実際には周囲の賑やかな音で聞こえないと思うのだが…心の声が届き気付き…が良かった。
阿波踊りが勇壮である。今のコロナ禍が終息し、以前と同じように阿波踊りが開催されて欲しいと思う。その時には、一度見に行きたいとも思う。