遥か昔に楽しめた覚えがある「タナカヒロシのすべて」を再鑑賞してみた。田中誠監督の作品。監督作品では、はっきし言って本作しか観ていない。
主演は鳥肌実。このキャラを好きになれるかどうかで、この作品の評価が大いに変わると思う。今ですら、この人がどういう人間なのかも詳しくは知らないが本作は何とも言えぬ個性的な演技をしている。そういや、関西では今でも有名人の島田珠代も出ていたのね。宮迫もおるし。
内容は、ぶっちゃけ何も覚えてはいないが鳥肌実を中心とした家族の物語となっている。恋愛事情も絡めているようやけど不器用過ぎてか…シュールさが余裕で上回る感じかな。
ユンソナ、市川実和子、小島聖との出会いはあるものの特に大した進展には至らず…ちゅう感じかな。いまいち、何を考えているのか分からないタナカヒロシ。不幸の連続やけど前向きなのかどうかも表情からは読み取れないのだ。
うん、緩いテンポだ。「ジャージの二人」もそうやったけど、本作も相当にクセの強い作品だ。2000年代の邦画はこう言う緩いテイストが流行っていたのかな。
だが、それでいてオモロイ。独特な間とテンポでグイグイ引き寄せられる感じ。『コーヒー・ルンバ』なんかの曲調にも良く合う。
この映画は鳥肌実が主演では無かったら、もっとつまらない作品のような気はする。そういや、キックボードでタバコ吹かしている姿が何気にキマっていたような錯覚を起こし始めた。