このレビューはネタバレを含みます
ミニシアターブーム?の公開当時に見逃したままだった作品。
特徴は「詩的」であること。
脚本のペーター・ハントケは、その後2019年にノーベル文学賞を受賞🏆
始まりは詩の朗読。
「子供は子供だった頃...」大人が忘れてしまった、無くしてしまった、いろいろなもの。
天使の姿が見えるのは子供だけ👶
天使が頭をくっつけるほど人間のすぐ側に寄り添って聞いている心の声もまた、詩の朗読を聞いているよう。
遥か昔からずっと人間の営みを見てきた天使たち。髪型はオールバックで後ろに束ね、コートを纏っているその姿は、知的で紳士的(女性の天使もいるが)👼
永遠なる傍観者の虚しさと恋心が、ダミエルに「生きる実感」を願わせるようになる。命と引き換えに。
ダミエル役は「ヒトラー 〜最期の12日間〜」のピーター・フォーク。
マリオン役はプロの空中ブランコ乗りではなく、このために練習したのだとか。凄すぎる!😲
ちなみに、彼女はヴェンダース監督の当時の恋人♡
「刑事コロンボ」のピーター・フォークがいい味を出している。本人役で登場することで、ファンタジーも何か現実味を帯びてくる。
ミュージシャンも本人役。ニック・ケイヴがいた!
当時のミュージックシーンを感じる🎶
日本人観客の台詞「コンサート来て良かったな。サイモンすごいな。全然観客見てない。天国見てるみたい。」は、字幕に出ていない。
天使のたたずまいや映像美、詩的な語りが、哲学的で荘厳な雰囲気を漂わせており、私の好きなテイスト✨
ベルリンの時代背景と、意図的ではないにしろ壁崩壊前というタイミングも、本作に深い意味を持たせていると感じる。
●1961 ベルリンの壁 建設
●1987 映画制作
●1987.6.6 ベルリンの壁の反対側にもスピーカーが向けられたボウイの野外ライブ
●1988 映画公開
●1989.11.9 ベルリンの壁 崩壊
ダミエルが見下ろしていた天使の塔は、ジーゲスゾイレ(戦勝記念塔)。
▼ロケ地
https://www.google.com/url?sa=t&source=web&rct=j&url=http://www.themoviedistrict.com/wings-of-desire/&ved=2ahUKEwjG6-TUpLnzAhXG_WEKHbE1D4YQFnoECDcQAQ&usg=AOvVaw1w6SZSUwcxAp8vvrpEMY3V
「全てのかつての天使、特に安二郎、フランソワ、アンドレイに捧ぐ」