MINAMI

ベルリン・天使の詩のMINAMIのレビュー・感想・評価

ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)
4.8
ヴィム・ヴェンダース監督

凄い…拍手…
今読んでいるサリンジャーの小説のような優しさがある。人間に向けた現実にある優しさ。決して欲に買われた優しさではなく、受け止められるものを受け止めるだけの優しさだ。

子供が子供だった頃、
天使たちの見るモノクロな世界
僕たちが見る色のある世界
誰かを想う気持ちは、あらゆる垣根を超えて、そっとそこに在り続ける、在り続けて欲しい。

僕は子供だった頃、あらゆることが不思議でたまらなかったことをよく覚えている。
何に対しても、誰に対しても「なんで?なんで?」と言い続けていた。
母や従兄弟の母に、あなたはずっと「なんで?」を言うからあの時は困ったわ〜と今でも言われる。
仕方ない。不思議だった。なんでか分からなかった、意味がわからないことばかりだった。

今となっては、
うん、やっぱり分からないことばかりみたいだよ。何も変わっていないみたい。
そして誰かを想う気持ちもまた変わらずここに在り続けるみたい。誰のことをも考えない、なんて日はきっと無い。
MINAMI

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