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ベルリン・天使の詩のkmiwのレビュー・感想・評価

ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)
4.0
コロナよくなってきたので1本。ご存知であった方、ご心配おかけしました(心配してない?)何と、嗅覚障害です。世の中から匂いが消えました。驚き。

置いといて。ベルリン・天使の詩です。

天使には人の心の呟きが聞こえていて、悲しみの呟きにはそっと寄り添ってくれる。
彼らの世界はモノクロームで静謐。

心の呟きがあちらこちらで聞こえる、というシチュエーションはコメディであれば滑稽にもなりえるけれど、この作品においてはポエトリーリーディング(詩の朗読のパフォーマンス)のようだ。
ショッキングなシーンはなく、ゆっくりとしたテンポで進行するストーリー。

ブルーノ・ガンツ演じる天使ダミエルが、空中ブランコ乗りの女性への恋を自覚し、そしてピーター・フォーク演じるピーター・フォークがコーヒー片手にダミエルに堕天使のお誘いをする辺りから、少しトーンが揺れ、話が動き出す。
大袈裟な転換ではない。むしろ慎ましく躍動する。

もしかしたら自分のまわりにも見えない天使がいて、心の声を聞き取り、ネガティブな思いの時に肩に抱いて寄り添っているかもと想像をすると、ささくれた気持ちも落ち着くというものだ。
一杯のコーヒーのような、素敵な映画。

なので私も鑑賞したあと香りはなくともコーヒー飲みました。味はわかる。違いがわかる男のネス◯フェ程度には味がわかるから、楽しめる。天使が傍らにいるのかもね。
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