ブラウンソースハンバーグ師匠

ベルリン・天使の詩のブラウンソースハンバーグ師匠のレビュー・感想・評価

ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)
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ーー例えば、トランプに加わりうなずくだけの挨拶をされてみたい

ーー勇壮な戦士や王が主人公の物語ではなく、平和なもののみが主人公の物語。乾燥玉ねぎでもいいし、沼地の渡り木でもいい

↑いやあこんなことばかり書いて飯を食っていきたい。

鬱屈とした日なんかは人間を辞めたくなるけど、天使にはそれすら楽しみなのかあ……ウィレムデフォーの元配下である私にとってはあり得ないことだ。

映画内の詩的な台詞はもちろんのこと、それを観客に聞かせるためのロケーションや展開のゆったりとしたタイム感もあり、すごい五臓六腑に染み渡る。
天使はあくまで人間に寄り添うだけで、そこから先は当人自身に意志がない限りは救われないという、静謐な距離感が素晴らしい。どれだけ偉大であっても、作家とその受け手とで一定の関係性を配置しているのは、監督への信頼もそうだし、監督自身が影響されてきた作家への信頼をも感じることができる。

刑事コロンボやニックケイヴが出てくるのだけど、それがプロモーションっぽくないと言うか……時代の空気感もあるのか、この映画の必然性によって召喚され、大いなる物語以降への日常賛歌に共闘してる感じがして胸が熱くなります。てかライブシーンがくそ格好よすぎるんだよ。そりゃあ「コンサートきてよかったなあ(棒)」ってなるわ。