後入れかやく

ベルリン・天使の詩の後入れかやくのレビュー・感想・評価

ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)
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人間の思考って、とりとめのないところがあって、映画的にまとめつつもその脈絡のなさをできる限りそのまま映そうとする試みがあり良かった。人間の生活が悩みも喜びも流れるがゆえに(少なくとも私は)すべてに集中することはできないのだけれど、ふと頭に入ってくる言葉に、歴史そのものや人間として生きることの重みを感じさせられる。また別の機会にこの映画を観た時もきっと、また別の言葉に感嘆させられるのだろう。天使たちと私は話すことも触れることもできないけど、彼らは苦しい時も楽しい時もそばにいてくれる。私が全てを手放してしまったときに声を上げて嘆いてくれる人がいる、そう思うだけで、辛苦にのまれそうになったときもなんとか堪えて生きていけそうな気がするのである。