メイプルわっふるG

死霊のはらわたのメイプルわっふるGのレビュー・感想・評価

死霊のはらわた(1981年製作の映画)
4.0
Wake not a sleeping Demon.

僻地の山中にレジャーでやって来た若者たち。古家の品々を弄んでいたら悪霊が甦ってしまう。
サム・ライミ監督の長編デビュー作。単純明快で勢いの良い娯楽スプラッタ。

いやもう楽しい。されど幼少時には怖かったことも事実。主にヴィジュアル面だったとはいえ、なるほど適正年齢や理解度は大切。

悪霊との掛け合いに笑い、メイクやスプラッタに感心する。
木の根や枝による拘束レ○プ。ちぎれる部位。蠢く切り株。迸る白濁した液体。
終盤のストップモーションは秀逸。そしてそれを上回る"G"の衝撃。今作唯一の怖気がよもやの現実生物。

憑依したところで肉体は人間女性。あっさり捕縛。とはいえ強みはそこから。
一撃必殺なにそれ?と言わんばかりの再始動は天丼の如し。ケタケタ笑いながら嘲弄の手を緩めない性格の良さ。

人間サイドもハチェットやチェーンソーなど定番を押さえつつ、いわく付きの謎アイテムも欠かさない。
演劇のようなオーバーアクション、こちらは壊れた棚でのたくたする天丼。
思い入れのあるネックレスの活躍は、ちょっとだけ強引な匍匐前進すれば済むだろうとか言わない。

また、臨場感溢れる悪霊視点のカメラワークが嬉しい。獲物をうかがう光景は、死霊なのに生き生きとしている。
そしてこの視界映像は冒頭からあるという設定クラッシャー。"寝ていた"訳でも"古家にはびこる"だけでもない。日頃から周辺一帯を散策している模様。
悪霊は複数、視点は橋のさらに外側にまで及ぶ。何気に行動範囲は相当広いようだ。

橋を落としてまでの狩りは、老朽化を鑑みるに数十年ぶり。
久々で嬉しかったのか、余程獲物を気に入ったのか。テンション上がった悪霊のはしゃぎようからは、喜びや嬉しさ楽しさがひしひしと伝わってくる。
そんな悪霊を微笑ましく愛でる作品。


雑記メモ → ネタバレコメ

2021.01.23 WOWOWシネマ
2020.12.22 WOWOWシネマ
2020.11.28 WOWOWシネマ