Omizu

バラの刺青のOmizuのレビュー・感想・評価

バラの刺青(1955年製作の映画)
3.0
【第28回アカデミー賞 主演女優賞他全3部門受賞】
テネシー・ウィリアムズの同名戯曲を『愛しのシバよ帰れ』ダニエル・マンが映画化した作品。『無防備都市』などで知られるイタリア人女優アンナ・マニャーニが主演し、見事アカデミー主演女優賞を受賞した。その他アカデミー賞では美術賞、撮影賞を受賞した。

ハリウッド映画というよりイタリア映画という感じ。やたらとテンションが高い会話で紡がれるメロドラマ。日本版ソフトが出ていないので英語字幕でみた。

夫を事故で亡くしたイタリア移民セラフィナは、夫に愛人がいたことを知る。その過程で出会ったトラック運転手アルバロと惹かれ合っていく…

亡くなってからも夫を愛し続けるセラフィナと彼女の娘ローザ、その二人の恋愛を並行的に描いていく。イタリア映画っぽいテンションの高いセリフの応酬は良くも悪くもハリウッド離れしている。

正直全く面白さを見出せなかったし、アンナ・マニャーニの演技もそんなに優れているとは思えなかった。イタリア語を話すときだけ自然になるのが印象的で、やっぱり彼女はイタリア人女優と言うほかない。

相手役のバート・ランカスターは鍛え抜かれた肉体も含めてよかった。憎めない可愛らしさがあるアルバロを好演していた。

テネシー・ウィリアムズ特有の湿度の高い感じがイタリア映画っぽいドライなテイストで相殺してしまっている気が…みやすくはあるんだけど、だからといって面白いとは言えないかな。
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