ダンクシー

インビジブルのダンクシーのレビュー・感想・評価

インビジブル(2000年製作の映画)
3.3
姿が見えないという無敵状態。しかし、弱点も存在する。弱点をつきながら追い詰めていくスリラー。

もし自分が透明人間になったらどうしますか?大体の人が思いつくようなことをほぼやってましたねこの映画は。欲求に忠実というか。多分俺も透明人間になれたら好き勝手してしまいそう笑

天才科学者セバスチャンは生物の透明化の実験をしていた。そして透明化の復元薬の開発に成功し、自身の体を実験台に透明人間なるも、復元に失敗し元の姿に戻れなくなってしまう。それに徐々に苛立ちを募らせたセバスチャンは透明人間なのをいい事に不法侵入、レイプなどの数々の犯罪を犯してしまう。まさに透明化の悪用。そして自身の研究仲間に対する憎悪が募っていき…というストーリー。

この作品は生物の透明化は出来ても元に戻すことが困難というのと、副作用での凶暴化というのが存在する。夢やロマンはあってもリスクが存在しており精神が侵食されていく、というのは前提として面白い設定だと思った。 CGによる透明人間の表現は見応えがありました。皮膚から筋肉、そして骨格と順番に透明になっていく過程がリアルで生々しく描写されていた。

透明でも液体に触れれば姿が浮かび上がるし飛び散ったり付着したりする。透明でも現実に存在しているということ。見えない恐怖に対してなんとか可視化しようと対抗するのが見物。

それと人間っていうのは理性と本能のせめぎ合いというか、釣り合いが取れているから成り立っているんだなと感じましたね。まあ勿論その釣り合いが取れなくなったら犯罪に手を染めたりしてしまう。インビジブルは本能に全フリしていたような印象。ある特定の条件下に身を置かれれば、果たして理性を保つ事は出来るのだろうか?それの難しさを実感しましたね。

自分の本能のまま生きたら、野生の獣と何ら変わらず人間社会は絶対に成り立つことはなく崩壊してしまいますし、かといって本能をおさえ続けて理性だけで生きると、問題なく生活を営めますが、常に退屈を感じてなにか"刺激"を求めてしまう。そしてそれは積もり積もって爆発し、本能が解き放たれる。そこに理性などもはや存在しません。こんなケース、未だに多々ありますよね。よくニュースとかで見かけます。

まあ結論として俺も一回は透明人間になりたいし、一回は本能のままに自由に生きてみたいな〜って思いました!
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