ペコリンゴ

記憶のはばたきのペコリンゴのレビュー・感想・評価

記憶のはばたき(2001年製作の映画)
3.4
記録。
人の声がぼくらを起こすまで

ガイ・ピアース × ヘレナ・ボナム=カーター共演のラブストーリー、いやヒューマンドラマかな?

少年時代のトラウマから心を閉ざしている精神科医サム(ガイ・ピアース)は故郷へ向かう列車の中でルビー(ヘレナ・ボナム=カーター)という女性に出会う。ある嵐の夜、サムは増水した川からの救出という形でルビーとの再会を果たすが、彼女は一切の記憶を失っていた…。

なんかポエミー。ちょいファンタジック。
そして地味ぃで静かぁな映画でした。

父親の葬儀のために故郷に戻る現代のサムと、夏休みの帰省で故郷に戻る少年サムの物語が交互に描かれる形で物語は進行します。

何故現代サムがこんな辛気臭いオッサンになったのか、そのトラウマを紐解く少年編は互いに淡い恋心を抱く幼なじみシルビーとの交流が初々しくて眩い感じ(遠い目)。

一方で、謎めいた美女ルビーの記憶を巡る現代編ではキャッチコピー通りサムの「魂解放のプロセス」が描かれます。要するに閉ざされた心の再生の物語なんですね。

ガイ・ピアースは前年の『メメント』とは打って変わって感情を表に出さない抑えめな演技でジックリと魅せます。

対するヘレナ・ボナム=カーターはこの映画のミステリアスな雰囲気にピッタリ。闇夜に浮かぶ白い肌の妖艶さたるや(ゴクリ)。

彼女が演じたルビーの正体をどう捉えるかでサムの印象すら変わりそうな面白さもあるのですが、初見時は地味過ぎて正直退屈でした。

初見時にレビューしてたら3.0
再鑑賞で3.4

ひょっとしたら、繰り返し観ることで旨味が出てくるスルメちっくな作品なのかもしれません。