メイプルわっふるG

エルム街の悪夢5/ザ・ドリームチャイルドのメイプルわっふるGのレビュー・感想・評価

3.2
シリーズ5作目はシリアスでゴシックホラー色強め。
前作主人公のアリスが妊娠。フレディは胎児の見る夢を利用して復活する。
二作続けて"真っ当に"主人公をこなしたのはアリスが初。

今作はゴシック要素を重視するスティーヴン・ホプキンス監督。
マウリッツ・エッシャーの騙し絵や回廊をイメージする世界観。胎児の夢という題材のせいか、膣のような管、子宮を思わせる形状など、空想に満ちた世界。

監督自身が夢へのダイブを意識し、ネタ詰まり時には仮眠して潜在意識の発想を引き出していたとのこと。
夢を軸にしている物語なのでどこにでも行けるし象徴的にも描ける。異世界に飛び込めるのが夢の世界。

レイチェル・タラレイ曰く、美術的な視点から訴える力を持つ監督。幻想的で素晴らしい絵を描き着地点も明らか。フレディの子供という難題を扱い、シリーズ中もっとも困難な作品をこなした人物。

ちなみに子宮を扱った作品はティーンエイジャーに共感しにくいらしい。
16歳で妊娠した関係者にはリアルな問題であり、それ以外では遥か未来の出来事。いずれにせよティーンズが好む話題ではないと。

脚本はレスリー・ボーム表記なものの、クレイグ・スペクター、ジョン・スキップなど、4作同様に草稿を出しまくって強い作品を目指していた模様。
個人的には、好む層が限定されたマニアックな仕上がり、というイメージ。

エンディング曲が筋肉少女帯の「ソウルコックリさん」みたいだった。こっちの方が先なんだけど。
特典映像でエルム3のDOKKENみたくMV付いてたけど、ラップに興味ないので何とも言えない。

今作は良いシーン以上にそこかしこで相性が合わず残念。エッシャーや当監督の『プレデター2』なんかは好きなんだけどな。
シリーズ中、評価も興行収入もワーストランクという事実があるだけに登竜門としてはギリギリなのかな。

One two, Freddy's coming for you.
Three four, better lock your door.
Five six, grab your crucifix.
Seven eight, gonna stay up late.
Nine ten, never sleep again.

memo → ネタバレコメ

◆エルム街の悪夢(1984年製作の映画)
<https://filmarks.com/movies/10032/reviews/77595865>
◆エルム街の悪夢2/フレディの復讐(1985年製作の映画)
<https://filmarks.com/movies/3184/reviews/77595884>
◆エルム街の悪夢3/惨劇の館(1987年製作の映画)
<https://filmarks.com/movies/13988/reviews/77595916>
◆エルム街の悪夢4/ザ・ドリームマスター最後の反撃(1988年製作の映画)
<https://filmarks.com/movies/3873/reviews/78107691>
◆エルム街の悪夢5/ザ・ドリームチャイルド(1989年製作の映画)
<https://filmarks.com/movies/34002/reviews/78107628>
◆エルム街の悪夢/ザ・ファイナルナイトメア(1991年製作の映画)
<https://filmarks.com/movies/12151/reviews/78107677>
◆エルム街の悪夢/ザ・リアルナイトメア(1994年製作の映画)
<https://filmarks.com/movies/50433/reviews/78107649>