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ドニー・ダーコのGreenTのレビュー・感想・評価

ドニー・ダーコ(2001年製作の映画)
2.0
カルト的フォロワーの多い、ダークな青春映画です。

ドニー・ダーコ(ジェイク・ジレンホール)は、典型的アメリカの郊外に住む高校生。精神的に問題を抱え、夢遊病で、セラピストにかかっている。ある朝近所のゴルフ場で目覚め、家に帰ってみると、飛行機のジェットエンジンが自宅に墜落、ドニーのベッドルームを直撃していたことがわかる。

設定は1988年らしいのですが、「典型的アメリカの郊外」や「典型的アメリカ郊外の高校の様子」なんかが的確に描かれていて、それを退屈で薄っぺらいと思っているドニーが狂っていくんだなあと思わされる。

で、ドニーの方は不穏なイメージを見たり、頭の中の声に操られて犯罪を犯したりする。

ジェイク・ジレンホールはこの「憂いを抱えた高校生」の役で一躍有名になりましたよね。お姉さんのマギーもお姉さん役出ているけど、この頃はまだ可愛かったのね。ドリュー・バリモアとパトリック・スェイジが出てたのは全く憶えてなかった。

この映画すっごいカルト・フォロワーが多い映画なんだけど、個人的には「思春期の高校生が考えつきそうな映画」って感じしました。ジェイク・ジレンホールの自然な演技で高校生の憂いは良く描かれているけど、登場人物がステレオタイプばかりで、あ!ドニーに嫌がらせする不良の役がセス・ローゲン!!

で、ドニーの「憂い」は、タイム・トラベルだの、幻覚だの、高校生くらいの人が「なんだコレ!」って食いつきそうな不穏な雰囲気を醸し出しているんだけど、アイデアだけでなにかに昇華していくってわけではない。最後も「ガールフレンドを救う」みたいな意外と月並みだし。

この映画評価する人は「不穏なイメージ」や「何が起こるか解らない緊張感」などの「雰囲気」が好きなのと「回答を提示せず観客に考えさせる」のが良いと言っている人が多い。

個人的には「回答はない!」って思いましたね。製作者側は特になにも提示していない。単に「薄っぺらいアメリカ郊外で思春期を過ごすってことの辛さ」をSFだのの小道具を使って表現しているだけなのでは?24分長いディレクターズ・カットや製作者が書いた本とかあるそうなので、ハマった人はあーでもない、こーでもないってやるんだろうけど、劇場版で「もういいや」って思ったら、どんなに深掘りしても「ふーん」としか思わないんじゃ。
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