えばら

ドニー・ダーコのえばらのレビュー・感想・評価

ドニー・ダーコ(2001年製作の映画)
4.5
溜め息すら漏れるほどに、好みのど真ん中。
説明欄にあった概要は「不条理な青春劇」。非常に的を射ている。

難解映画として語られる本作。知識人ぶる訳じゃないけど「本当に?」という感想。めっちゃ身構えて観たけど、ノーラン作品の方がよっぽど付いていけない。
『タイムトラベラーの哲学』という本を読んでから観るべき映画らしいけど、自分も含めて強いて言うのであれば、本は読まなくて良いから先に『バタフライ・エフェクト』という映画を観た方が分かりやすい気がする。あくまで「分かりやすさ」の観点で言うと、だけども。

この世界観。現実に介在する虚構。いや、この現実がむしろ虚構なのか。
原作は読んでないけれど、相当分かりやすく味付けしてくれた事は確か。あんまり多く語るとネタバレになるけど、もはやこの映画においては"ネタ"もクソもないのかもしれない。
「あんな世界になるなら君がいる世界の方が美しい」。ドニー・ダーコがそう叫んでる気がした。

哲学的で、不穏で、マルチバースで、タイムトラベル。なのにストーリーの軸は青春。
当たり役(というより彼しか出来ない)ジェイク・ギレンホールと一緒に、不思議な世界を旅してみるという佳作。
あのうさぎの仮面欲しい!!
えばら

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