Kumonohate

日本侠客伝 血斗神田祭りのKumonohateのレビュー・感想・評価

日本侠客伝 血斗神田祭り(1966年製作の映画)
4.2
シリーズ第4作。引き続き監督はマキノ雅弘。ヤクザ映画というジャンルを確立したシリーズだけあって、ストレートかつ盤石の面白さ。その男気、任侠道、武士道に痺れまくり。

高倉健(ヒーロー)も鶴田浩二(サブ・ヒーロー)も富司純子(ヒロイン)も藤山寛美(コメディリリーフ)も天津敏(ヒール)も、役者はいずれも水も漏らさぬ適材適所。憎々しい悪党の非道に耐えて耐えて最後の最後で逆襲というカタルシスに、3組の男女のめっさ切ない恋バナを絡めるストーリーも寸分の緩み無し。

中でも特筆すべきは、先ごろ亡くなったサブ・ヒロインの野際陽子。NHKを辞めてから数年しか経っていない時期の作品だが、やはりなるべくしてなった天性の女優さんだったんだなと思う。相思相愛でも結実の許されぬ恋に身を焦がす病身の美女役で、抜群の雰囲気を醸し出している。若い頃からこんなオーラを出せる名優だったんだ!とびっくり。

やはりマキノ雅弘にハズレ無し、だった。
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