★1985年に続き2回目の鑑賞★
SFホラー映画に分類されつつも、前半の未知の天体に降り立つまでにかなり時間をかけられているため、7名の搭乗員の個性とそれぞれの人間関係が非常に丁寧に描かれることになり、それがその後の展開の非常に重要な要素となる。
また、得体のしれないエイリアンも断片的にしか見せないことで、否が応でも恐怖感が募っていく。
これに未知の惑星や宇宙船の造形などによる、後にスコット監督の持ち味にもなる特殊な雰囲気もシナジー効果で独自の空気感が醸し出され、それにより本作がSFホラーの名作・古典と言われる所以だと思う。
やはり出色なのは「リプリー」という名前が本作と完全に結びつけられるほど強烈な印象を残す、2本目の映画出演、本作が初の主演となったシガニー・ウィーバー。
ジェーン・フォンダやフェイ・ダナウェイと比類されて配役に決まったという実話に膝を打った。確かに美人ではないのだが、その2名優と同じく、男に負けない、女としての芯の強さを感じさせ、本作においてそれが非常にうまく作用していると感じる。
ただ1点イライラさせるのは、最後の脱出の場面で猫1匹の決死の救出に時間を使っていること。どうやらリプリーが連れてきた猫らしいが、その前の場面までにそのような描写がないため、何でたかが猫一匹のために命を危険にさらすのかが良くわからなかった。