FRANCIS

エイリアンのFRANCISのレビュー・感想・評価

エイリアン(1979年製作の映画)
4.8
今や古典的SFの金字塔の部類に入ったと過言でもない、リドリー・スコットの出世作。

『スター・ウォーズ』で語られたクローン大戦やダース・ベイダーの悲劇のように、神話的なストーリーの広大な世界観が前提に。本作ではユタニ社の宇宙事業やスペース・ジョッキーの詳細は前日譚『プロメテウス』で明らかになる。

ファリック・シンボルを模した異星人の造形は、ホドロフスキーと共に『デューン/砂の惑星』を製作していた(未完)ダン・オバノン(脚本)のアイディアを流用。ノストロモ号の接合部にも、R2-D2の予備の脚が使われるなど、厳しい予算内でのコストカットが伺える。

また、現実世界を反映するように70年代末期における日系企業の進出や女性解放運動を組み込んだ演出は時代は当時のSFとして革新的。抑圧へ対抗する強い女性はフェミニズム的文脈としても、ホラーとしてのキモも徹底的に抑えられている。

『最後の決闘裁判』に先駆けて、リプリーのキャラクター像を確立したシガニー・ウィーバーの好演。脇を固めるヤフェット・コットーやジョン・ハート(『スペースボール』でも腹を喰い千切られる!)ら癖の強いキャスト陣も印象深い。
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