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ダンス・オブ・ダストの映画のレビュー・感想・評価

ダンス・オブ・ダスト(1998年製作の映画)
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監督の意向により、字幕なし。

芸術写真の断片を繋いでいくような撮影技法。掌の描写が印象に残りました。ジェット機の轟音、雷鳴が轟く空に向かって伸ばされる人々の手。常に数珠を手にして、叫んだり、歌ったりしている男。毎日のレンガ造りのおかげで、汚れて、乾いていて、木彫の彫刻のようになった手。

それから、泥土の質感が伝わってきて、レンガ造りの場面が非常に良い。べちゃ、べちゃっ、ぴちゃ、ぴちゃっ。「音」と「感触」。映像という媒体だからこそ、伝えられること。少年が土を掘っている場面で、ザクッ、ザクッという音に合わせて、1カットずつ切り替えていくところとか。男たちが水を浴びて、髪を洗ったり。

少女がレンガに手型を残す。吊るされている飾りのようなものを引きちぎる。字幕がないこと、イラン文化の背景知識がないことで完全に読み取ることができない部分もあるけれども、十分に楽しむことができました。
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