こんぶトマト文庫

ゴルゴ13 九竜の首のこんぶトマト文庫のレビュー・感想・評価

ゴルゴ13 九竜の首(1977年製作の映画)
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さいとう・たかをが生み出した、国際的超A級スナイパー、ゴルゴ13。本名不明。年齢不詳。人種、国籍、その他ありとあらゆるプロフィールが闇に包まれている。確かなことは、彼は強靭な肉体と卓抜した知識、不撓の精神と不屈の臆病さを以てどんな困難な依頼でもこなしてみせる、プロフェッショナル中のプロフェッショナルであることのみ。

そんな彼を、アクションスター・千葉真一が演じてみせたのが本作。パンチパーマで白スーツのゴルゴ13というなかなか厳つい見た目をしている。白スーツについては原作に忠実であるはずなんだけど、なんでしょう、筋骨隆々とした白スーツというのは実写で見るとなんとも目立つ。絶対カタギではない。

一周して面白い類の実写化なのかしらんと高をくくっていたけれど、実際観てみたらなかなかどうしてまっすぐに面白かった。さすが千葉真一、取っ組み合いに説得力がある。ストーリーは特に奇をてらうことなく原作にありそうな外連味たっぷりの流れで、ゴルゴが依頼を受け、現地へ行き、出会う女と良い仲になり、仕事を果たす。
もう一つの実写化、高倉健版の方が正直微妙だった。哀愁漂う一本に仕上げられていたけれど、ゴルゴである必要と高倉健である必要が薄かった。

両主演俳優、そして原作のさいとう先生、みな逝ってしまわれた。しかし物語は続いている。