あなぐらむ

ゴルゴ13 九竜の首のあなぐらむのレビュー・感想・評価

ゴルゴ13 九竜の首(1977年製作の映画)
3.5
1973年の高倉健版とは方向性が全く異なるリメイク版(一応原作をアレンジしている)。

野田幸男がその劇画的演出の1つの完成形を見せた「0課の女 赤い手錠」を更に突き詰め、本当にコミックと映画のボーダーを易々と超えて活劇の魅力だけに特化させた邦画における「午後ロー」一直線的一作。
千葉真一の肉体のみがなし得る、一種の架空性を持つ肉体の演技。それを「劇画的」というのは容易いが、実写における劇画化というものにおいて、役者が劇画に寄せて行くのではなく、劇画そのものを役者の肉体で体現するという事の困難さを、千葉ちゃんと野田幸男は成し遂げているのである。

脚本の中島信昭は掛札昌裕と鈴木則文という劇画的映画の巨匠の共作者としてキャリアを積み、厄ネタ「ビューティ・ペア 真赤な青春」でソロ脚本デビューという華麗なる遍歴の持ち主である。「暴力戦士」も書いてる。殆ど監督に直されてるんだろうなぁ。(あれ?誰かの共作ネームなのかね。「奴隷契約書 鞭とハイヒール」も書いてるしな)
ゲストの志穂美えっちゃんも美しく花を添え、鶴田浩二兄貴も助演。
観て怒られても困るので、自己責任でお願いします。