ゾロ

娼婦ベロニカのゾロのレビュー・感想・評価

娼婦ベロニカ(1998年製作の映画)
3.5
16世紀末にヴェネツィア共和国で実在した
高級娼婦 ヴェロニカ・フランコの伝記物語

ヴェネツィア共和国
14世紀 地中海の覇権を握り繁栄を迎えるが
16世紀中頃からオスマン・トルコに脅かされる

本作が描かれる16世紀末、オスマン帝国との
戦争、ペストの流行とルネッサンスが起こる

魔女狩りや宗教裁判に少なからず影響を与え
人口が減少していく混沌とした時代

邦題が官能的であるが実は歴史を学べる

当時のヴェネツィア社会では、
2つの異なる階級の高級娼婦を認めていた

上流階級には、「知的な高級娼婦」
下流階級には、売春婦

本作のヴェロニカは高級娼婦であり詩人

当時の結婚観として
女性は結婚に、持参金が必要
貴族や上流階級は政治と家系存亡が絡む
女性は実の両親を養う、生活の為に結婚

そんな社会で上流階級の男性と恋に落ちる


娼婦としての栄華を極めていくと同時に
惚れた男との駆け引きが描かれる

 惚れた方が負け 

それぞれの立ち位置の変化と共に
優位性がコロコロ変わる

そんな中、抗えない時代の波に翻弄されていく

最後の裁判の場面は良い話だな…と
尊厳や想いを大事にするシーンは胸に沁みる




見終わって、思い出したのは昔のCM

絶対、綺麗になってやる
 坂井真紀さん
ゾロ

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