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幼なじみのkapoのレビュー・感想・評価

幼なじみ(1998年製作の映画)
3.7
来年公開される
ムーンライト監督バリー・ジェンキンスの新作が、
ビール・ストリートに口あらば(If Beale Street Could Talk)」
だと知って早速リサーチ。
ジェームズ・ボールドウィンの原作であること、
それが既にフランスで、この作品で
制作されていた事を知り鑑賞。

16歳の白人少女と18歳の黒人青年の
幼なじみの2人の純愛を描いた話し。
そこへ立ちはだかる社会的な圧力。

初々しさと生々しさとが混ざり、
不思議な爽やかさが流れる映画。
人種差別の問題を大きく掲げているけど、
底辺に流れる2人の真っ直ぐで強靭な愛と、
家族の大きくて優しい
愛がどっしりとしていて、
そんな問題はビクともしない。

若い2人だけど、1つになる瞬間の
少女のナレーションは、
詩的でとても深く叙情的で、
もはや何もかも知り尽くした女性の様だった。

年齢も人種も関係なく、
愛の深さも大きさも種類も
枠付けがなくて、何となく気持ちが良い。

この定義のなさ、
どことなくムーンライトに通づるし、
純愛の感じはロウ・イエ監督の
ふたりの人魚を思い出して、
全体感はケン・ローチぽくもある。
らしい。

という訳で、
原作も読みたいし、
バリー・ジェンキンスの新作が楽しみ。
という予習的映画。
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