晴海通り

マリア・カラスの真実の晴海通りのレビュー・感想・評価

マリア・カラスの真実(2007年製作の映画)
3.2
「その声で劇場のガラスが割れた」という伝説のあるディーヴァ、マリア・カラスの短くも激しく燃えたキャリアと生涯を追うドキュメンタリー。ヴィスコンティとタッグを組むなどセンセーショナルな成功を収めた人のはずなのに、資料や遺品が散逸してるからか内容がちょっと食い足りない。ドラマチックな人生にフォーカスするのか、彼女のキャリアの記録集にするのかどっちかにした方がよかったのかも。
おそらく彼女のドラマ性は海運王オナシスとのロマンスが中心になると思いますが(この映画も2人の全てが始まったクルージングで幕を開ける)、誰かからストップがかかったのではないかと疑いたくなるほどその辺りが中途半端。ジャクリーンと結婚した後も2人の関係が続いてたのは驚きでした。手に入れたはいいけど出自が違いすぎてオナシスががジャクリーンに引け目を感じたのか。しかしオナシスに裏切られた後の彼女の晩年は、輝かしい絶頂期からするとあまりにも寂しい。母親とも結局和解しないままひっそりと亡くなってしまう。
彼女が「"トスカ"や"椿姫"が好きです。純粋なところが」とコメントしていますが、おそらく彼女自身も芸術に恋に純粋な人だったんだろうなと感じました。
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