HK

五人の賞金稼ぎのHKのレビュー・感想・評価

五人の賞金稼ぎ(1969年製作の映画)
3.4
若山富三郎主演のアクション時代劇『賞金稼ぎシリーズ』の劇場第2弾。
監督は『必殺!シリーズ』でもお馴染みの工藤栄一にバトンタッチ。
冒頭の百姓たちの夜の密談シーンの構図と照明はまさに必殺!テイスト。
音楽も津島利章にバトンタッチし、富三郎は自ら歌う主題歌も披露。

前作では主人公・錣市兵衛(しころ いちべえ)のどこが賞金稼ぎかよくわかりませんでしたが、今回は序盤で町医者兼賞金稼ぎであることがわかります。
今回は悪政に耐えかねた農民から百姓一揆の軍師を頼まれ、賞金稼ぎ仲間五人を招集。
他のメンバーは抜刀術の大木実、くノ一真山知子、手裏剣遣い北村英三、おまけの潮健児。

長期的な計画が杜撰なシリーズ物の常で、前回から続投の脇役は全て別人の役。
天津敏なんか前作では悪代官(?)で本作では善玉農民。
前作同様お笑い担当の潮健児も全くの別人役。
真山知子は前作の野川由美子の役名・陽炎を踏襲してますが同一人物?

今回初参加の大御所は村の名主の嵐寛寿郎、その娘に土田早苗。
悪役担当は悪大名の小池朝雄と悪家老の中谷一郎、“無用ノ介”のようなメイクの忍者・伊吹吾郎。

今回は拳銃・ライフルに加え、ガトリング・ガン、大砲と火力が大幅アップ。
ストーリーも『七人の侍』のようなワクワクする設定なんですが・・・

いろんな要素を活かしきれず不発弾となった印象。
四人の賞金稼ぎたちそれぞれが肩書通りの個性が発揮されなかったのが残念。
工藤栄一監督お得意の渋いダークテイストや集団時代劇の魅せ方にも期待したんですが。
スッキリしないラストは工藤テイストと言えばそうかも。
劇場版第3弾は『賞金首 一瞬八人斬り』・・・でも、もういいや。
HK

HK