もっさん

πのもっさんのネタバレレビュー・内容・結末

π(1997年製作の映画)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

数学になってからの通知表の成績はずっと2だった僕の頭では数学の部分はちんぷんかんぷんでしたが、脳みそは喜びました。すごく没頭して観入ってしまいました。
まるでその数字がお宝のような、または兵器のような。
そして人間はそれを奪い合う。

結構目をつむりたくなる様な痛々しいシーンもありましたが、目が離せなかった。
数字にハマり、数字に溺れ、頭痛のためドラッグも加速していく様が、数学者なのに数字に狂わされているのとドラッグに狂っていく相乗効果で良い。
同監督のあとの作品、レクイエム〜はわりとそのまんまの話なのであまり何も感じませんでしたが、この設定は好きでした。
法則、哲学、宗教、ドラッグ、とか暗号なのかとか何かと要素がある映画は自分の中で良いと感じるものが多くて、これはそういう要素が全部入ってたり、それが上手いこと混ざってるなぁと感じました。でもまとまりがなかったり。
いちいちこの時代で白黒だったり、大筋のストーリー性とかはそんな珍しくはないと思いますが、作り方が上手で丁寧な印象。
でも粗かったり、でも繊細だったり。
そんで結局映像感とか音とかがタイプ!
主演の人の狂人っぷりもすごい!

世界には解き明かされてない事なんてもうあんまりないのかと思ってるけど、まだまだわからない事ってあるんだろうね。それこそ数字じゃ片づけられない事。
そして答えがあるのは問題があるからで。
人間には踏み込んではいけない領域があるのかな。
都市伝説みたいな映画でした。

エンディングは思うところはありましたが、彼が提示したエンディングがこれだったけど、これほど自分の中で勝手にエンディングを色々考えれて楽しい作品もあんまりないんじゃないでしょうか。
もっさん

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