青二歳

キング・オブ・キングスの青二歳のネタバレレビュー・内容・結末

キング・オブ・キングス(1961年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

デミル1927年版のリメイクに非ず。こちらはベンハーさながらのド史劇。エキストラがおかしい。
さてキリスト伝映画の軸になる福音書は…ドキュメントではない。そして叙事詩でもない。それを映画にするとき史劇要素をどの程度加味するか。あるいはどのくらい人間ドラマを加筆するか。さらに歴史考証によってどんな非西欧世界にイエスを置くのか。これが非クリスチャンの自分にとって“映画”でキリスト伝みるときの面白さのポイントなんですが、その辺のバランスは監督の作家性が強い場合もあるし、映画会社の意向で方向性が固まるケースもあるようです。

UAユナイテッドアーティストの“偉大な生涯の物語”が宗教家に監修を頼んだとかで聖書に忠実なのに対し、MGMの“キングオブキングス”はド史劇。
史劇となるとやっぱり映画としてエンタメ性を保持しなくてはならんので、キリスト伝映画の中では気軽に見れる度ナンバーワンかも。福音書からの逸脱は凄まじいし登場人物もやたら多く、さらにユダヤ独立運動の気配なんかも加えられてえらい込み入った史劇ドラマになっちゃってますが。
別に面白い点は然程ないがただローマ側描写が多めの史劇路線のキリスト伝ではお金かかってる分素直に最高峰だと思う。お見事。
青二歳

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