いののん

ヒッチャーのいののんのレビュー・感想・評価

ヒッチャー(1986年製作の映画)
4.1
like tears in rain


雨の降る中、ルトガー・ハウアーに出会ってしまったら。ルトガー・ハウアーに、ヒッチでハイクさせてくれよ!と言われたら。いったい誰が断れるのというのでしょう。もう、言いなりになるしかありません。たとえこの先、どれほどの恐怖が、待ち構えていたとしても。どれほどの狂気の沙汰が展開されるとしても。予測不能の事態の連続だとしても。車のなかで恐怖のあまりに流した涙は、ルトガー・ハウアーが優しく拭き取ってくれます。ただし尖ったナイフでね。


巻き込まれるボクちん(ジム君)と、巻き込むルトガー・ハウアー(ジョン・ライダー:ただし仮名)とは、磁石のN極とS極のように、引きつけ合ったり、あるいは、反発しあったり。あり得ない展開のようにも、また、何かに導かれ有り得る展開のようにも思えてくる不思議。もしかして出会ったのは運命だったのかも。そんな風にも感じられる2人に、目が離せない。ジェニファー・ジェイソン・リーも出演。大事な場面は、見せずに想像させる工夫もgood job!


撮影も凄いと思って確認したら、撮影はJohn Seale!『MAD MAX:Fury Road』を撮影した方とのこと。観たことを自慢したくなる1本であることは、間違いないぞっ!




〈追記〉
2021年、映画館でニューマスター版を観賞
いののん

いののん