あらなみ

ノートルダムの傴僂男のあらなみのネタバレレビュー・内容・結末

ノートルダムの傴僂男(1939年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

あれ!? エスメラルダが死なないパターンだ!?

ディズニー映画のノートルダムの鐘が好きなんだけれど、ヴィクトル・ユゴーの原作はエスメラルダが死んじゃうって聞いてこの映画を観たら、まさかの生還エンドだった。

フロロ判事に隠されるようにひっそりと育てられたノートルダムの鐘突きのカジモド。
ある日、パリは最も醜い者が王になる祭りで賑わう中、聖堂を抜け出したカジモドは祭りに参加してしまう。
その最中、ジプシーの踊り子であるエスメラルダに一目惚れするフロロ。

聖職者だから、女性への欲情絶対禁止なフロロのエスメラルダに対するムーブが典型的な、好きな人を痛めつける系で小学生かよ!!!!!!!! ってなるのよね。
フロロ、無理、不快。
そんなエスメラルダはエスメラルダで妻子持ちの傭兵に恋するんだけれど、そんな傭兵をフロロは殺すし。

フロロが本当に一貫してやべー奴なのよ。

傭兵を殺した罪でエスメラルダは裁判にかけられるし拷問されるし、絞首刑にされかけたところをカジモドが救う。
原作は絞首刑にされてたような……?
実はカジモドもエスメラルダが好きで、鐘楼に匿うんだけれど、その間にエスメラルダと仲のいい詩人が、救出のためにパリ中に声をかけ、ビラを撒いて、無罪とジプシーのパリでの市民権を王様に訴える、ってのがなんかもう、アメリカ映画っぽいよなぁって。

フランスの作品なら容赦なくエスメラルダを殺してたと思うわー。

ディズニーは原作以上に、たぶんこの映画を下敷きにしていそう。
単語の選び方や音楽、場面の見せ方がそっくりなのよね。
ガーゴイルが歌って踊ることはないし、クロロの醜悪さがヤバいなーってのが総括だわぁ。

原作者のユゴーは「ラ・エスメラルダ」としてオペラも書いてるんだね。
主人公は男たちに一方的な愛を向けられ翻弄され、悲劇に終わるエスメラルダ、という感じかな……?
ユゴーだなぁって思う。
たぶん自分はそっちの方が好きそう。
あらなみ

あらなみ