すずす

ノートルダムの傴僂男のすずすのネタバレレビュー・内容・結末

ノートルダムの傴僂男(1939年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

ロン・チェイニー、ディズニーと比べると、私は一番これが好き。

23年のサイレント版から、時代はトーキーに変わりRKOが製作。脚本家にオスカー受賞のソニア・レヴィンを据え、傀儡の憐れさが強調されている気がします。

チェイニー版との違いは、活版技術の普及を背景に敷いたことで、これにより為政者による圧制の時代から庶民が目覚めるきっかけが据えられた訳です。

大聖堂は前作に匹敵する町の巨大オープン・セットで、聖堂内部は南カリフォルニア大学の哲学堂なのだそうだ。
ガーゴイルが細部まで良く出来ていて、ロートンと合い並ぶと、肝カワいくさえ思えます。チェイニーが怪物として演じたのに比べ、ロートンは、より人間味を帯びた存在で、哀切が深い様に私には思えました。

オーソン・ウェルズなども候補だったらしいが、チェイニーには彼らには無い愛嬌があり、ガーゴイルが動き出しちゃった様にも感じられました。

物語の最も大きな違いは、エスメラルダの恋のお相手としてフロロを創作したこと。活版技術を生かし印刷物で国王に進言するなど、傀儡の叶わぬ恋が強調されています。
彼はディズニー版にはいません。

因みに、ディズニー版は大好きですが、本作に比べると、火災・活劇色が強い印象。
アニメ化するにあたって当然の違いですが、恋の相手はチェイニー版と同じく隊長となっています。

最後に、最も大きな違い、鐘が鳴ること。
サイレントからトーキーへ、町中に響きわたる鐘の音が最高に良いのです!
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