andes

未知との遭遇のandesのレビュー・感想・評価

未知との遭遇(1977年製作の映画)
3.5
細部はスピルバーグの手腕のおかげで妙なスペクタクルがあり、娯楽映画のような錯覚を覚えるが、物凄く変な映画。宇宙人の意図もわからないし、ただ「遭遇」するだけで、中盤は政府の陰謀的なサスペンス映画になる。
個人的にはその「不可解さ」に乗れず、いまいちな印象。有名な音の交信の場面もあからさまにオーケストラの音なので神秘性は感じられなかった。あと、UFOがくるとポルターガイストになるのだけど、必要性があるのだろうか。ホラー演出としては良いので余計に首を傾げてしまう。
サスペンスパートも若干ヌルい。雰囲気の割に警備がザルザルで、政府がどれだけ「遭遇」を重要視しているのかが分からない。
やはり母子家庭と、父親と家族の不和が描かれており、スピルバーグの個人的な映画とも言える。そう考えるとトリュフォーから認められる素人(ロイ)=スピルバーグが、家族を犠牲にしつつも宇宙人に見初められるという話。宇宙人は何(映画の神か?)だろう、ともあれナルシストっぽい映画とも言えそう。
andes

andes