波野なみ松

未知との遭遇の波野なみ松のレビュー・感想・評価

未知との遭遇(1977年製作の映画)
2.8
「UFOを信じるか」という質問は愚問中の愚問。UFOつまり未確認飛行物体とは、その名のとおり正体がわからない飛行物体全部を指す。正体がわかったら、実は投げたお皿だったとか、鳥だったとか、いろいろあるわけだ。だから質問するなら、「宇宙人が乗った宇宙船が地球に飛来していることを信じるか」と言わないといけない。と、前置きが長くなっちゃったけど、この映画はさすがそのあたりをちゃんと踏まえていて、主人公たちは日常生活の中でその葛藤にさらされる。何かを見た。でも、それは一体何なのか…。それに振り回される主人公のエピソードの積み重ねがとてもリアル。
UFOを見た人たちを集めたところで、「ビッグフットも見たことがある」と言いだすおじさん。こういう奴のせいで、本当に見たはずのUFOもビッグフットと同じレベルに落とされ、まともに取り合ってもらえなくなってしまう。こういうのもいかにもありそう。
一部で起きた出来事ではなく、グローバル的に同時多発しているのも説得力あり。
映画の冒頭、靄がかかった画面を白い光の玉が浮遊する。いきなりUFOかっ!と思いきや、砂漠の中の自動車。エピソードの作り方だけではなく、こういううまい映像演出がいたるところに散りばめられているのもさすが。
ところで、停電のときに主人公が車の中で聞く無線から、「間違いねぇよ!俺は確かに見た!あれは絶対UFOだよ!」というセリフが聞こえてきたんだけど、「池乃めだかかい!」と思ったのは関西人だからでしょうか 。
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